要介護者に配慮した構造を有する住宅を建築等する場合には住宅(災害)貸付とは別枠で在宅介護対応住宅貸付の資金として300万円を限度として貸付が受けられます。要介護者に配慮した構造とは、次のような構造をいいます。
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○玄関<基本的考え方> |
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ポーチには、雨や雪をよけられるよう、庇又は屋根を設ける。 |
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玄関土間は、靴の履き替えやコート類の着脱などのためのスペースを確保する。 |
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玄関の出入り口は、つまずかないよう段差を少なくする。 |
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玄関の上がり框の段差は、楽に上がり下がりができる高さとする。 |
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床仕上げは、転倒事故を防ぐため、滑りにくい材料とする。 |
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玄関出入口の有効幅員は、杖や歩行器などでも通行できるよう、規定寸法以上を確保する。 |
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戸の把手・引き手は、握り易く、開閉操作のし易い形状とする。 |
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上がり框の壁部分には、将来履き替えのための手すりが設置できるよう、適切な位置、高さに下地を用意する。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作しやすい形状、取り付け位置とする。 |
○ 廊下<基本的考え方> |
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他室との床の段差は、設けない。ただし、3mm以下の段差は許容する。 |
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床仕上げは、転倒事故を防ぐため、滑りにくい材料とする。 |
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廊下の通行幅員は、杖や歩行器などでも通行できるよう、規定寸法以上を確保する。 |
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戸の把手・引き手は、握り易く、開閉操作のし易い形状とする。 |
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将来手すりが連続して取り付けられるよう、壁面に手すりの取付け下地を設置する。 |
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手すり設置用下地は、強度を十分確保する。 |
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寝室から便所に至る廊下は、足元を明るくし、夜間の安全性を確保する。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作し易い形状、取り付け位置とするとともに、消灯後、暗い廊下を歩いて部屋に着くことのないようスイッチの配置をする。 |
○ 階段<基本的考え方> |
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段板は、滑りにくく、踏み外しにくい安全な構造とする。 |
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上り下りの楽な緩勾配の階段とする。 |
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手すりは、日常の安全性を確保するため片側を新築時から設置し、反対側は将来必要になったときに設置できるよう下地を設ける。 |
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手すりは、身体を支えるとともに、身体を引き上げることのできるよう、壁にしっかり固定する。 |
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手すり設置用下地の強度を十分に確保する。 |
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手すりは、途中で途切れないようにする。 |
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上り下りの足元を明るくし、滑落防止など夜間の安全性を確保する。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作し易い形状、取り付け位置とするとともに、消灯後暗い階段を歩いて部屋に着くことのないようスイッチの配置をする。 |
○ 便所<基本的考え方> |
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便所は夜間の使用を考慮し、寝室に隣接、あるいは近接させる。 |
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歩行器や杖を使用していても、便所内での動作が楽にできるよう、便所側方にスペースを確保するか、将来の確保が可能なように計画する。 |
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他室との床の段差は、設けない。ただし、3mm以下の段差は許容する。 |
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床仕上げは、転倒事故を防ぐため、水に濡れても滑りにくい材料を用いる。 |
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戸の有効幅員は、杖や歩行器などでも通れるよう、規定寸法以上を確保する。 |
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開き戸の場合は、室内で具合が悪くなって倒れた場合を考慮し、救出し易いよう外開きとする。 |
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戸の把戸・引き手は、握り易く、開閉操作のし易い形状とする。 |
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身体を引き上げるとともに、身体を保持する手すりを将来設置できるよう、堅固な手すり取り付け下地を設ける。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作し易い形状、取り付け位置とする。 |
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便器は立ち座りの楽な洋便器とする。 |
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安全で操作の容易な暖房設備が、取り付けられるようにする。 |
○ 洗面・脱衣室<基本的考え方> |
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洗面・脱衣室は、シャワーチェアや椅子に腰掛けての洗面ができるスペースを確保する。 |
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浴室以外の他室との床の段差は、設けない。ただし、3mm以下の段差は許容する。 |
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床仕上げは、転倒事故を防ぐため、滑りにくい材料を用いる。 |
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戸の有効幅員は、杖や歩行器などでも通れるよう、規定寸法以上を確保する。戸の把戸・引き手は、握り易く、開閉操作のし易い形状とする。 |
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浴室への出入りを補助する手すりを設ける。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作し易い形状、取り付け位置とする。 |
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洗面器具は、上体を預けても破損しない安定感のある形状とする。 |
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水栓金具は、開閉操作や湯温調節の容易な形式とする。 |
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安全で操作の容易な暖房設備が、取り付けられるようにする。 |
○ 浴室<基本的考え方> |
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浴室は、シャワーチェアもしくはこれに代わる椅子・ベンチ類を使用できるスペースを確保する。 |
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浴室と脱衣室の段差は、安全確保のため少なくする。 |
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床仕上げは、転倒事故を防ぐため滑りにくい材料を用いる。 |
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戸の有効幅員は、杖、歩行器、シャワーチェアなどでも通れるよう、規定寸法以上を確保する。 |
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戸の把手・引き手は握り易く、操作し易い形状とする。 |
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浴室の戸は、転倒を考慮し、破損しにくい材質とする。 |
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浴室の戸は、原則として引き戸とする。ただし、他の開閉方式を用いる場合は、室内で具合が悪くなって倒れたときを想定し、救出し易い開閉方式を用いる。 |
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手すりは、浴室の出入り、洗い場での立ち座り、浴槽内でも姿勢保持と出入りなどの補助をする。 |
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手すりは、握り易い形状、太さとする。 |
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手すり設置用下地の強度を十分確保する。 |
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浴槽は、入浴し易い大きさと深さのあるものとし、出入りの楽な縁の高さとする。 |
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水栓金具は、洗体を椅子座で行うことを前提にして、使い易い高さに設置する。 |
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水栓金具は、開閉操作や湯温調節の容易な形式とする。 |
○ 寝室<基本的考え方> |
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寝室のうち一室は、二人が就寝できるスペースを確保する。 |
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他室との床の段差は、設けない。ただし、3mm以下の段差は許容する。 |
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床仕上げは、転倒事故を防ぐため、滑りにくい材料を用いる。 |
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寝室の戸の有効幅員は、杖、歩行器などでも通れるよう規定寸法以上を確保する。 |
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戸の把戸・引き手は握り易く、開閉操作のし易い形状とする。 |
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寝室から便所に至る寝室ない通路は、足元を明るくし、夜間の安全性を確保する。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作し易い形状、取り付け位置とする。 |
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安全で操作の容易な暖房設備、あるいは冷暖房設備が取り付けられるようにする。 |
○台所<基本的考え方> |
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他室との床の段差は、設けない。ただし、3mm以下の段差は許容する。 |
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戸の有効幅員は、杖、歩行器などでも通れるよう、規定寸法以上を確保する。 |
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戸の把戸・引き手は、握り易く、開閉操作のし易い形状とする。 |
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床仕上げは、転倒事故を防ぐため、滑りにくい材料とする。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作し易い、取り付け位置とする。 |
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水栓金具は、開閉操作や湯温調節の容易な形状とする。 |
○ 食堂<基本的考え方> |
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他室の床の段差は、設けない。ただし、3mm以下の段差は許容する。 |
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床仕上げは、転倒を防ぐため、滑りにくい材料とする。 |
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戸の有効幅員は、杖、歩行器などでも通れるよう、規定寸法以上を確保する。 |
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戸の把手・引き手は、握り易い形状とする。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作し易い形状、取り付け位置とする。 |
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安全で操作の容易な暖房設備、あるいは冷暖房設備が取り付けられるようにする。 |
○ 居間<基本的考え方> |
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他室との床の段差は、設けない。ただし、3mm以下の段差は許容する。 |
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床仕上げは、転倒事故を防ぐため、滑りにくい材料を用いる。 |
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戸の有効幅員は、杖、歩行器などでも通れるよう、規定寸法以上を確保する。 |
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戸の把手・引き手は握り易く、開閉操作のし易い形状とする。 |
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スイッチ、コンセントなどは、操作し易い形状、取り付け位置とする。 |
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安全で操作の容易な暖房設備、あるいは冷暖房設備が取り付けられるようにする。 |